理想のMDスロープは?

2025.06.27 ブログ・症例実績

視野検査におけるMDスロープ(平均感度の変化)は、視野の進行を数値で表す重要な指標です。

理想的なMDスロープは 「0 dB/年」。
これは「視野が全く進行していない=進行が止まっている」ことを意味します。

ただし、加齢によって網膜の感度は徐々に低下するため、-0.3 dB/年以内であれば許容範囲とされることが多く、実臨床ではこの程度の緩やかな進行は「十分コントロールされている」と判断されます。0〜-0.3 dB/年で推移していれば、生涯にわたり視機能を保てる可能性が高いと考えられます。

一方で、-1.0 dB/年を超えるような急速な進行が見られる場合は要注意です。

このまま進行すれば、10年後には10dB以上の視野障害が進む可能性があり、視機能の低下リスクが高まります。