眼圧(目の中の圧力)は、通常10〜21mmHgの範囲が「正常」とされています。
ただし、この範囲内にあればすべての人が安心というわけではありません。
緑内障の方やそのリスクがある方の場合、正常範囲内でも視神経にダメージが生じることがあります。このタイプは「正常眼圧緑内障」と呼ばれ、日本人に非常に多いとされています。
一方で、21mmHgをやや超えていても視神経に異常がなく、長年変化がない方もいます。
つまり、眼圧の数値だけで判断せず、その人の目の状態に合わせた評価が必要です。
治療中の方では、無治療時の眼圧から2〜3割程度下げることが、視野の進行を防ぐための目安になることが多いですが、すべての方にその下降幅が必要というわけではありません。
少しの眼圧低下で安定する方もいれば、より積極的なコントロールが必要な場合もあります。そのため、「その人にとって安全な眼圧」は一律ではなく、個別に判断する必要があります。