角膜の厚さが平均的な520μmよりも薄い場合、眼圧の測定値は実際よりも低く出てしまう傾向があります。
(逆に、角膜が厚いと、実際の眼圧よりも高く測定される可能性があります。)
一般的な目安としてよく使われている補正式のひとつに、「角膜が10μm薄くなる(または厚くなる)ごとに、測定眼圧が約0.2〜1.0mmHg低く(または高く)出る」というものがあります。
たとえば、角膜が510μmとやや薄めの場合、標準より10μm薄いことになります。
このとき、測定された眼圧は実際よりも約0.2〜1.0mmHg低く出ている可能性がある、ということです。
(※角膜の性状や使用する眼圧計の種類によっても誤差があります)
つまり、測定値が20mmHgだったとしても、実際の眼圧は20.2〜21.0mmHgと推定されることがあるというわけです。
特に注意が必要なのはレーシック手術を受けた方です。
レーシックでは、角膜を場合によっては100μm近く削ることもあり、その分、眼圧が実際より大幅に低く測定されてしまうことがあります。
たとえば、測定値が8mmHgと出たとしても、角膜が通常より100μm薄くなっている場合、本来の眼圧は18mmHg程度と考えられることもあり、決して「低めで良い眼圧」とは言えません。このような場合、眼圧を補正して、追加の眼圧下降治療を検討する必要があるケースもあります。