血圧と眼圧(目の中の圧力)は、どちらも体の「圧力」に関係する指標ですが、必ずしも連動して動くわけではありません。しかし、全く関係がないかというとそうでもなく、緑内障のリスクや進行を考えるうえで無視できないポイントもあります。
一般的に、血圧が高い方は目の中を循環する「房水」と呼ばれる液体の産生量が増え、眼圧がやや高くなる傾向があるとされています。ただし、これはあくまで傾向であり、血圧が高いからといって必ずしも眼圧も高くなるわけではありません。
一方で、血圧が低すぎると、視神経へ十分な血液が届かず、「正常眼圧緑内障」というタイプの緑内障のリスクが高まることがあります。特に夜間に血圧が大きく下がる「夜間低血圧」は、視神経の血流を悪化させ、視野障害を進行させる要因となることが知られています。
また、降圧薬を服用されている方の中には、知らないうちに血圧が下がりすぎているケースも見られます。立ちくらみ、めまい、ふらつき、やる気の低下、手足の冷えといった低血圧の症状が続いている方は、眼にも影響を与えている可能性があります。
こうした場合には、血圧と眼圧のバランスを見直すために、主治医と相談しながら治療内容を調整することが大切です。